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モールトンAM-7
2012.12.14
長持ちシリーズ:モールトンAM-7。
1987年、ロンドンにてフレームセットで購入。確か当時の英国現地価格は20万近くだったと思う。8ヶ月間放浪の旅をして帰国直前での所持金は、7万4千円・・・。
ショップ店長に無理を承知で、拙い英語で、「日本でデザインの勉強をしています。日本では(モールトンを知っている人もほとんどいないし・・・)まだどこも輸入してないので、なんとか勉強のために持ち帰りたい。しいては僕は300ポンド(74000円)しか持ってないのだけど、譲ってくれないか?」と単的に伝えたら、「アウケーィ!」て返事が返ってきてビックリ仰天!しかもその後暫く店の裏に姿を消したと思ったら、お店にあった段ボールを使って信じれないほどにコンパクトに梱包された物体を抱えてニコニコと出てきて「Good luck!」と渡してくれました。
帰国してから金銭的問題から乗れる状態まで組み上げるのに半年。以降コイツでは、上石神井から上野までの通学から、鹿島槍にある山岳部の山小屋、日本海岸線を南下、能登半島一周、伊豆半島一周、長野、四国、広島、九州と、小径車が故のコンパクトさを生かしてフレームに括れるだけ荷物を括り付けて(テント、寝袋、ガソリンコンロ、コッヘル、水筒などなど)駆け回った。就職してからもたまに通勤で活躍、一度も故障する事無く多分2万キロ近くは走ったと思う。5〜6年前に初めてスポークが立て続けに折れてから暫く乗ってないけど、そろそろ復活の兆しか?!
この記事をFacebookにアップした1週間後の12/9に、モールトン博士が他界した。
僕の胸にぽっかりと小さな穴が空いた。
長年の輪行に次ぐ輪行、幾度かの落車でボロボロになったフレーム。
オールペンして復活させようとしていたけど、このままの時間と共に使い込んで刻まれた無数の傷(勲章)を残して乗り続けることにした。
未だ逢った事の無い僕の特別な恩師に、合掌。